BIOSの警告音の意味と対処方法

PCが何らかの異常を検知した時にはビープ音(警告音)で知らせることがあります。最新のマザーボードではビープ音ではなくボード上のLEDで警告ランプが付く場合もありますが、今回はBIOSの種類別にビープ音の種類とどんな警告を表しているか、そのビープ音の意味からどのような対処方法があるかを説明します。

BIOSの種類と警告音の意味

BIOS は大きく分けて 「 AWORD BIOS 」 「 AMI BIOS 」「 UEFI BIOS 」 の3種類があります。各メーカのPCでは独自のBIOSが使われていることもありますが今回はこの3種類のBIOSのビープ音の種類から警告の意味にについて分かりやすく表にしました。

AWORD BIOS

短音×1 システム正常
短音×2 CMOS 設定エラー
長音×1、短音×1メモリまたはマザーボードのエラー
長音×1、短音×2ディスプレイのエラー
長音×1、短音×3グラフィックカードのエラー
長音×1、短音×9BIOS 用 RAM のエラー
長音の繰り返しメモリ接触エラーまたは故障
高い周波数の長音CPU 温度異常
短音の繰り返し電源供給が足りない
高音、低音の繰り返し温度異常やファン回転数低下時に発生

AMI BIOS

長音×1システム正常
長音×2POST エラー
短音×1DRAM リフレッシュのエラー
短音×2メモリ先頭でパリティエラー
短音×3メモリ先頭のエラー
短音×4システムタイマー異常
短音×5CPU の異常
短音×6キーボードコントローラのエラー
短音×7CPU で例外割り込みエラー
短音×8ビデオメモリのアクセス失敗
短音×9BIOS RAM チェックのサムエラー
短音×10COMS エラー
短音×11キャッシュメモリの異常
長音×1、短音×11~2 個のハードウェアでエラー
長音×1、短音×2ビデオ BIOS RAM でエラー
長音×1、短音×3メモリ先頭、それ以降の領域でエラー
長音×1、短音×8グラフィックカードのテストでエラー

UEFI BIOS

短×1システム正常
長×3メモリーエラー
長×5グラフィックカードのエラー
高音、低音の繰り返し  温度異常

エラー種類別の対処方法

まずどんなエラーが発生していてもPC内を確認してホコリの蓄積がある場合は清掃をしましょう。ホコリによる短絡でPCが故障している場合が多いからです。
ご家庭であれば掃除機と柔らかい刷毛があれば清掃出来ます。まずPCをシャットダウンさせて電源コードを抜きます。掃除機は吸い込み口はノズルに付け替えて刷毛で掃ったホコリを吸い取る方法で行います。くれぐれも基盤を傷つけたり壊してしまわないように掃除機のノズルを直接基盤に当てて吸い取ることのないように注意します。室外で作業ができる場合はエアーダスターがあればより安全に作業が可能です。

CMOSエラーがある場合

BIOSの設定情報を記憶させているメモリーがCMOSです。CMOSはPCがシャットダウンしていたりAC電源と繋がっていない場合でも記憶しておくためにボタン電池で保持しています。そのボタン電池が消耗していたり、設定値に何らかの異常がある場合にエラーが発生しますので、一度BIOSの設定をリセットさせてボタン電池を交換することをお勧めします。
まずPCをシャットダウンさせ電源コードを抜きます。マザーボードにあるボタン電池を取り外します。取り外す際、ピンセットなどを使い金属の引っ掛かり部分を外側に押しながら取り外します。PCの電源ボタンを数回押してください。その後新しいボタン電池を取り付けて電源コードをつなぎます。PCの電源を入れBIOSの再設定を行ってください。

メモリーのエラーがある場合

メモリーのエラーの多くは、メモリーとスロットの接点にホコリが蓄積されていたり汚れている場合認識ができずエラーが起きていることが多いです。メモリーを取り外して接点の部分を清掃します。金属部分は水分で錆びたり、油分で余計に接点不良を起こしますのでくれぐれもウエットティッシュや指で直接拭き取ることがないように注意してください。無水エタノールと綿棒を使い軽く拭き取るのがよいでしょう。スロット部分は、エアーダスターでホコリを掃います。

グラフィックカードのエラーがある場合

グラフィックカードのエラーはメモリーエラーの場合と同じくまず接点の清掃をしましょう。グラフィックカードを取り外し接点の部分を無水エタノールと綿棒で軽く拭き取ります。ファンとヒートシンクについているホコリの清掃をしてください。分解が可能な場合は、ファンとヒートシンクを取り外してGPUのグリスを拭き取って新しいグリスを塗り元に戻します。